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主に光モノ工作の忘備録

激安3Dプリンタ Kingroon KP3Sを購入した(後編)

前編はこちら
激安3Dプリンタ Kingroon KP3Sを購入した(前編) - PikaPikaLight

初めに

前編で購入までの経緯について説明しました。今回は実際に使ってみた様子をレポートします。
結論から言えばこのように自分で設計したデータを無事プリントすることができました。 f:id:PikaPikaLight:20210724234257p:plain

予習

Amazonでポチったものが届くまでに2日かかる予定なので、その前にネット情報をみて予習することにしました。
まずはこれを薦めていらっしゃる@ReiyaSaltさんのnoteから拝見。
なるほど、どうやら私の購入したのはTitan仕様のKP3S 3.0という色々とバージョンアップされた後のモノのようです。ReiyaさんはTitanエクストルーダー単体を購入して換装するといった大変そう(でも楽しそう)な作業をしてますが、自分のはすでにその状態のが届くということですね。お得感。

もう少し予習。 「Kingroon KP3S」で検索トップに出てくるサイトが凄い情報量です。 KINGROON KP3S情報
Kingroon KP3Sに関しての基本から応用まで丁寧に記事にしてくれています。ざっと目を通して予習終了。こんなサイトがあるなら、安心です。

開封&組み立て

ポチって2日で届きました。思ったよりコンパクトな箱でした。(40.5x38x17.5㎝と箱に書いてありました) f:id:PikaPikaLight:20210724195532j:plain PLAフィラメントの白と黒と3Mの3099ABというプラットフォームシートを同時購入しました。
いままでABS材しか使ったことなくて、初めてのPLA材です。 3099ABは以前使ったことがありその性能に惚れ込んだので最初から買っておくことにしました。

いざ開封。したもののいきなりのピンチ。
コンセントが三ツ口でした。考えれば当然ですが、何の準備もしてません。予習してたはずなのに。
もはやここまでと思いきや、ありました!エアコン用の三ツ口コンセントが。屋根裏的な部屋だったのでコンセントの位置も低く何とか接続することできました。 f:id:PikaPikaLight:20210724201851p:plain

組み立て

組み立ては付属のマニュアル(怪しい日本語バージョン)に従って、支柱をベースに挿して2個のビス締めとZ軸スクリューを固定部品にはめてネジ締めするだけです。特にコメントすることすらない簡単さです。
マニュアルにはネジサイズM5x20と書いてありますが付属品はM5x16だったりしましたが、16でもちゃんと締まりましたので問題なしです。(正しいほうに修正して欲しいとは思います)
プラットフォームシート3099ABは最初から貼ってみました。(後述しますが、貼り方に問題ありでした)

レベリング

マニュアルに従って次はレベリング調整をします。 レベリングとはノズルとプレートの隙間間隔を調整する作業です。これまで扱った3Dプリンタ(7年前の数十万円の製品)でもしたことがあるので、覚悟はできてました。
タッチパネルの「レベリング」ボタンで開始です。ポイント1~5の5がセンターで、1~4は四隅でした。 まずは5(センター)がいいかと思います。ボタンを押すと動き出します。精密機械の動きにワクワクします。
調整位置にヘッドがちゃんと移動しました。が、隙間がすごくあいてます。黄色の調整ネジでどうにかなるレベルでないくらいあいています。 f:id:PikaPikaLight:20210724210223p:plain 組み立てを間違えたかと焦りましたが、よくよく動きを見ると、Z軸の高さの基準になっているビスがありました。これを締めれば高さ調整ができそうです。しかしこのビスを締めるにはいったんヘッドを上にあげないと指で回せません。(ニッパとか使えばできそうですが)
仕方ないので「移動」メニューからZ軸を上方向へ移動させてから例のビスを締めてみました。そうするとレベリングでノズルの位置がちゃんと下がりました。いい位置になるまで何回か操作を繰り返しましたが、プレートに近接する位置にすることができました。
そのあとは四隅で調整することになりますが、初期状態は黄色のネジがほとんど締まっていない状態だったので、あらかじめ4つの黄色いネジをある程度締めておいたほうがいいです。締めるとプレートは低くなり、緩めると高くなりますが、レベリング調整ではある程度の隙間がある状態からプレートを高くして調整することになると思うので黄色のネジは締めておくほうがいいと思います。
四隅の調整を2周して完璧になりました。

サンプルデータの印刷

とりあえず何かプリントしてみたいと思い、付属品のSDカード(何の刻印もされていない怪しげなSDカード。16GB)に入っているサンプルデータ(Guardian-extruder.gcode)を付属品のPLAフィラメントでプリントしてみました。 フィラメントの「余熱」メニューから200℃くらいにノズルを温めておき、挿入部のレバーを押しながらフィラメントを差し込みます。 f:id:PikaPikaLight:20210724215612j:plain 白のフィラメントを入れているのになぜか赤色のフィラメントが出てきました。メーカーで動作確認をした時の残りだと思います。 フィラメントも無事挿しこめたのでいよいよプリント開始です。動作音がうるさいという事前情報も見ましたが、自分的にはかなり静かなほうだと思います。同じ部屋で寝ることもできなくはないかな、いやちょっと無理かな位の音です。 f:id:PikaPikaLight:20210724220242p:plain めちゃめちゃキレイにプリントできました。想像以上の出来です。

オリジナルデータの準備

3D CADはDesignSpark Mechanicalを愛用しています。Windowsでしか使えませんが、商用利用も可能なフリーのCADです。こんな図形(145x127x25mm)を設計してSTL形式でエクスポートしました。 f:id:PikaPikaLight:20210724222120p:plain 予習ではソフトはUltimaker Curaという無料ソフトを使う方法が載っていたので専用のソフトはないのかと思っていましたが、付属のSDカードの中にKingroonのソフトがちゃんと入っていました。これでSTLファイルを読み込んでGCODEファイルに変換することできました。 f:id:PikaPikaLight:20210724222536p:plain プロパティをざっと見てみましたが、そのままで行けそうな気がします。サポートもちゃんと生成できるようですが、今回のブツは垂直なのでサポートなしでOKです。サポート性能はまた今度試してみたいです。
GCODEファイルに変換してSDカードに保存します。で、そのSDカードをプリンタに入れてプリントする方式です。PCとUSB接続してプリンタさせることもできるようですが、マニュアルに「ただし、この方法は信号が干渉されやすく、接続がきれてしまうことがありますので、TFカードプリント方法を推奨します」と書いてあるので、素直にSDカードを使うのが無難です。
予習ではSDカードの挿入口の上下に隙間があるのでそこを埋めたほうがいいというM5Stackみたいなアドバイスがあったのですが、自分のは特に隙間ありませんでした。改良されたのかな。 f:id:PikaPikaLight:20210724223423j:plain

フィラメントの交換

最初のプリントではおまけでついてきたフィラメントを使いましたが、今回は黒色のフィラメントを使いたいので、フィラメントの交換作業をします。
外すのは簡単でした。「余熱」メニューで200℃くらいに温めて、挿入口のレバーを押しながらフィラメントを引き抜くと抜けました。
挿入はちょっとてこずりました。「余熱」してから挿入するのですが、うまく吸い込んでいってくれません。焦りましたが、結局余熱が十分でなかったみたいで、しっかり予熱した後だとちゃんと挿入できました。

オリジナルデータのプリント

変換ソフトで完成時間も表示されていて7時間15分でした。寝る前にセットして、起きたら完成しているという憧れのスタイルを実践です。
ワクワクして起きしたら7時間で90%でした。8時間で完成しました。

プラットフォームシートの3099ABがちょっと浮いてしまいました。それでも造形物自体はシートから剥がれていないとこが3099ABの力です。
シートが浮いたところはひずんでしまいましたが、出来はいいです。寸法もしっかりしていて、ターゲットの枠にいい感じではめ込めました。
これを使った作品は鋭意作成中です。 f:id:PikaPikaLight:20210724230030p:plain

プラットフォーム

今回プラットフォームシート3099ABが浮いてしまったのでビルドプレートに関して調べたら、最初からマグネット式のビルドステッカーがついていてその上からシートを貼ってしまってました。これだと過熱が不十分だった可能性があります。

マグネット式のビルドステッカーは食い付きはいいが造形物を剥がすのが大変というコメントを見かけたので、ビルドステッカーは温存することにして、プレートに直接3099ABを貼るようにしたいと思います。当然レベリングをし直さなくてはいけないので、後日。結果はレポートしたいと思います。

フィラメントの保管

フィラメントが湿気に弱いことは身をもって知っています。湿気を吸ったフィラメントはノズルで温めたときに気泡が生じてノズルを詰まらせる原因となります。これに何度泣かされたことか。 ちなみに湿気を吸ったフィラメントをアルミの袋(紫外線防止)に入れて真夏の車の中に2時間ほど放置したら復活した経験があります。

とりあえず大きなタッパに乾燥材を敷き詰めてそこで保管することにしました。

感想

3Dプリンタは一度使うと離せない工具だと思います。設計であれこれ考えているときもCAD上の設計だけでは思いつかないことが、現物として手に取り使ってみることで新たなアイデアが浮かぶことが多々ありました。実際に私はそれで思いついたアイデアをもとに特許をとったりもしています。

とにかく2万円という価格はインパクト大です。これならやってみようという人も多いかと思います。自分レベルでも無事プリントすることできましたし。
この値段なら最悪壊れたら買いなおすという方法も考えられます。壊れた個所以外は部品取りしてスペアにしておけばいいです。
普通のプリンタは結構持っている家が多いと思いますが、3Dプリンタもそうなる可能性を感じました。
今のところ家族に内緒で使ってますが、子供にも使わせてみたいなと思います。

付記

記事を書いてる途中で気づきました。KP3Sって自分のTwitterのIDである @KPmilk3 と似ているではないか。この出会いは運命?(トゥンク)
ちなみに最初は”柿ピーミルク”というアカウント名だったのですが、途中でPiKaPiKaらいとに変えました。
ピーナッツ入り柿の種と牛乳のマリアージュが大好きなので名付けたのですが、早い段階で思い直して変更した次第です^^;

激安3Dプリンタ Kingroon KP3Sを購入した(前編)

初めに

今年からTwitterを始めて、主にLEDテープを使った工作品を発表してきました。 それまでは自分の子供のためのおもちゃ的な工作をぼちぼちやっていただけだったのですが、アウトプットを始めてからというもの次々とアイデアがわいてきて、色々なものを作ってきました。
作り続けているうちに痛切に感じているのが自分の工作技術の低さです。
LEDテープとマイコン(主にM5製品)以外の材料は基本的に100円ショップで購入しています。それをハサミやセロテープといった基本アイテムで工作してきたのですが、いよいよ壁にあたりました。 そこで思ったのが「3Dプリンタが欲しい!」

3Dプリンタ

実は3Dプリンタは仕事で使っています。
10万円以下、数十万円、数百万円というグレードのものをこれまで扱ってきました。全てFDM式のものです。
さすがに数百万円のものは安定性が違いますが、正直数十万円以下のものはそんなに違いがない印象です。ノズルが詰まることも多いですし、プレートから剥がれたり反ったりすることも多かったです。
特に悩みの種だったのがプリント途中での失敗で、これを監視するためにフィラメントロールに加速度センサをつけて途中で止まっていないかモニタするということをしたこともあります。その程度には3Dプリンタを扱ったことがありました。

3Dプリンタ購入の決意

仕事で使うならまだしも個人で3Dプリンタを持つということは考えてませんでしたが、Twitterを始めてからというもの、個人で持っている人がとても多いことが分かりました。フォローしてる人の半分くらい持っている印象です。 そこでこんなツイートをしてみたら、

50超のいいねがあり、このツイートだけでフォロワーさんが5名くらい増えました。改めて3Dプリンタ個人持ち勢のパワーを感じました。 これだけ背中押されたら買うしかないでしょう。

3Dプリンタの選定

5年ほど前に仕事用の3Dプリンタを選んだことがありました。設備にしたくなかったので20万円以下という条件で探したら思いのほか安いのが多くて、10万円くらいのやつを選びました。
安いなりの働きはしたと思いますが、ノズルつまり、ベットへの固着などでそれなりに苦労しました。この経験でFDM式の3Dプリンタに関する知識を得ることができました。
そして今、個人で3Dプリンタを持つことが珍しくなくなったと感じていますが、いろんなメーカーからいろんな機種が出ていて、何を選んだらいいかわからなくなってしまいました。
こういう時に頼りになるのは、からあげ先生のブログです。ただ、さすがに3Dプリンタは持ってないかもと思ったらしっかり持ってました。しかも2台目も。 karaage.hatenadiary.jp やはり2台目は扱いやすさ重視で選定されたようで、キャリブレーションの簡単さを強調されてます。苦しんだことのある私としても全くの同感なので、同じものを買おうかと思いましたが、値段が…なかなかです。家族に内緒で買うつもりなのですが、この値段はバレたら確実に怒られちゃうレベルです。これを許してくれるからあげ先生の奥様ステキです。

さてどうしようかとツイートしたら

おススメを教えていただきました。ありがたや。 adventurer3 全然知らなかったです。(5年前の選定時の知識でとまっている)
サイトを見ると「キャリブレーション不要」という胸をうつワードが。値段も6万円くらいということで、自分が想定していた価格帯です。これにしようかと思ったのですが、「造形サイズ150ミリ角」
あぁー。今まさに作りたいと思っているもののサイズが175mmだったのです。
この条件は外したくはないと思い、次に情報を得たのが、これまたTwitterでフォローさせていただいているReiyaさんです。

KingroonというメーカーのKP3Sをプッシュしておられます。自身もこれを2台も持っているようです。この方、学生なのに3Dプリンタ7台持っているというツワモノです。 Amazonの商品ページを見ると「印刷スペース180x180x180mm」& 「価格:¥19,999」という激安ながら自分の欲しているスペックを満たしています。ちょうどその日がAmazonのポイントアップキャンペーン中ということもあり、即決でポチってしまいました。
後編へ続く。

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跳ねるLEDプログラムを打ち上げる改造してみた

初めに

@KenKenMkIISRさんが開発された「跳ねるLED」が最高にいかしてます。

github.com GitHubArduinoRaspberry Pi Pico用のソースコードを公開されていて、 「本プログラムは公共の場を含め、誰でも自由にご利用いただけます。改変も可能です。ぜひご活用ください。」という太っ腹ぶり。
お言葉に甘えて自由に使わせていただきました。

このプログラムのすごさ

「跳ねるLED」の魅力、それは何といっても跳ねる動きがとても自然なところです。LEDテープとは思えない自然な動きが感動を呼ぶのだと思います。

いったいどんなプログラムでLEDテープでこの動きを実現しているのか。Arduinoのソースを見てみて驚きました。たった110行。コメントとか抜かせば100行以下です。
肝心の跳ねる動作と思われるところはわずか20行ほどで書かれています。一読しただけでは何がどうなってこうなっているのかわかりませんでした。
分からないなりに、小手先でいじれる部分を改造してこんなものを作ってみたりしました。

この時点ではプログラムの肝を理解してませんでした。そんな時、@KenKenMkIISRさんがツイートで この言葉に思わず「跳ねる動きのプログラムはちょっと見ただけでは理解できないものだったので、時間かけて解読したいと思っていました。」と返信したら、 この解説でようやく理解できました。これはまさにエレガントなプログラムです。しびれました。

応用

プログラムを理解してみて、同時に奥深さに気付きました。これは加速度を考慮した速度を位置に変換するプログラムなので、パラメータの設定次第でLEDテープで色々な動きを表現できるものであると。
思いついたのが、初期位置を最下点にして初期速度をマイナス方向の値に設定すれば打ち上げの動きになるはずだと。
オリジナルは初期位置はてっぺん、速度はゼロで自由落下の動きをさせています。

    //LEDブロック初期位置、初期速度設定
    y=0;
    v=0;

これを初期位置yを最下点に、初期速度をマイナス方向にしてちょうどてっぺんでゼロになるような値にすれば、下から打ち上がり、てっぺんで止まって落ちていく動きになるはず。そう思って色々やってみた結果、このようにすることで出来ました。(LED_NUM 144, BLOCK 8 ,GRAVITY 20 の条件下)

void loop() {
  int32_t y; //LEDブロック先頭位置(0が一番上)
  int32_t v; //落下速度
  int32_t h = (int32_t)LED_NUM << 8; //最下点位置
  int i = 0;
  do {
    y = h - 256;
   v = - (1220 - (40*i++));

y = h - 256; は最下点の一つ上を示しています。こうしないとうまく消す動きができなかったのでこうしました。
v = - (1220 - (40*i++)); この一見謎の計算式は、実測から求めました。ちょうどてっぺんで速度ゼロにするにはLEDが積みあがるたびに初期速度も変えなければいけないのですが、どういう計算をしたらいいか思いつかず、実測で確認することにしました。
通常の跳ねるLEDプログラムを実行してみて最下点の速度をprintすることで実測しました。それで判明したのが最初の速度は1220で一段積みあがるごとに40少なくなるという結果でした。これをマイナスにすれば打ち上げの動作が実現できます。
理論を理解していなくても現実を観測することでなんとかできるというエンジニア的問題解決の実例です。    ただしこの式は LED_NUM 144, BLOCK 8 ,GRAVITY 20 の条件下でしか正しく動きません。その場しのぎのプログラムです。

この一連をツイートしたところ@KenKenMkIISRさんから本質の式をアドバイスいただきました。

「まともに計算するのは…」とはこの式を導けなかった私に対しての優しさでしょう。実際にはv0=sqrt(2gy)という計算をさせても動作速度上全く問題なかったです。

結局はオリジナルのプログラムからこの2行を変えるだけで打ち上げの動作に改変することができました。 (LEDピン、LED数等の基本設定は除く)

    //LEDブロック初期位置、初期速度設定
    y = h - 256;
    v = - (sqrt(2 * GRAVITY * y));

結び

加速度、速度、位置をプログラムに落とし込む基本を学ぶことができました。 本当に教科書に載せるべきプログラムと思います。LEDテープを使って工作している人はぜひ扱ってもらいたいプログラムです。

立方体万華鏡 CUMOS をガラスミラーで作ってみた

初めに

立方体万華鏡 CUMOSに関してはまずこちらの記事を参照ください。 pikapikalight.hatenadiary.com この記事では100円ショップのアクリルミラーを6枚使用して作成していますが、ちょっとした問題があります。それは、
・100円ショップでこのアクリルミラーを6枚も置いてないことが多い。
・6枚同時に買い占める事の若干の罪悪感と気恥ずかしさ。
・裏側に貼ってあるマグネットテープを剥がすのが何気に面倒(傷つけないよう注意してやらないといけない

これらの問題から、何か他にいい素材はないかと街を練り歩いていたところ、見つけました。

材料

CAINZのウォールミラー スクエアー4枚入り 398円
www.cainz.com f:id:PikaPikaLight:20210617204009j:plain サイズ 縦150×横150×厚み2mm
6面必要なので、これを最低2個は購入する必要あります。この際、3個買って3×4=12枚で2台分確保することをお勧めします。 値段も1枚あたり100円だし、4枚セットなので3個くらい買っても罪悪感なしです。在庫も豊富と思われます。

ガラスを切る

立方体万華鏡はのぞき穴が必要です。アクリルミラーの場合は角をカッターでカットしましたが、このミラーはガラスなので簡単にはいきません。ガラスをカットするという難易度の高い工作が必要です。
ガラスを切るために必須の工具がその名もガラスカッターです。普通にホームセンターで売ってます。もちろんCAINZでも。
f:id:PikaPikaLight:20210617201920j:plain 一番安いの買いました。1000円弱くらい。 いいやつはオイル式らしいのですが、これは単なるカッターです。
このカッターでガラスに線傷をつけてガラスを割ります。怖いので新聞紙に厳重にくるんで割りました。ドキドキです。 2枚はなんとかうまく割れましたが、3枚目で失敗しました。 f:id:PikaPikaLight:20210617203205j:plain 説明書きをよく読むと、傷をつけるのは一回だけで、何回もこすってはいけませんと書いてあります。これを完全に見落としていて念入りに何回も傷つけていたら、、、割れました。説明書はちゃんと読まないとだめです。
説明書に従って1回だけ傷をつけます。非常に薄い傷です。こんなので割れるのかと疑心暗鬼で新聞にくるんで割ってみると、ちゃんと割れました。

ガラスカッターの使い方については検索すれば情報豊富にありますのでご確認することをお勧めします^^;

割ったところはのぞき穴になるのでテープを貼って厳重に防御します。 f:id:PikaPikaLight:20210617203855j:plain

模様を作る

アクリルミラーでやったのと同じようにガラスミラーでも裏側にカッターで線傷をつけることで模様を刻むことができます。 f:id:PikaPikaLight:20210617205004j:plain この傷にマジック等で色を付ければ通常のCUMOS完成です。

LEDでピカピカさせる

前回作成時は箱に直接LEDテープを貼りつけました。 f:id:PikaPikaLight:20210617205602j:plain この方法はLEDテープをカットしてワイヤーをはんだ付けするという面倒な作業が必要です。 今回は半田付けを極力しない方法を考えてみました。

方法その1

段ボールで3面を作って、そこにLEDテープをらせん状に貼りつけてみました。

方法その2

LEDマトリクスボードを購入しました。8x8のやつを3枚。それを段ボールに貼りつけます。 f:id:PikaPikaLight:20210617211206j:plain そこに箱の乗っけることでピカピカシステム完成です。 f:id:PikaPikaLight:20210617211227j:plain pikapikalight.hatenadiary.com f:id:PikaPikaLight:20210617213747j:plain

LEDテープで光るフラワーを作ってみた

初めに

GeekMomProjectsさんのとても素敵な作品を見つけました。

LEDテープにこんな使い方があったのかと感動しました。
作り方をYouTubeで解説したものも載せてくれています。アクリルをレーザーカッターで加工して作っているようです。 レーザーカッターはいずれ挑戦してみたい工具ですが、まずは手作りで再現してみました。

材料

LEDテープとマイコン以外は100円ショップで入手できるものを使います。 今回全てダイソーで買えるものを使用しました。
・すっきり書類収納ファイル(A4)
・PPシート乳白色 両面光沢タイプ
・EVAクラフトボード A3サイズ 厚さ5㎜
・両面テープ
f:id:PikaPikaLight:20210613165640p:plain

LEDテープは毎度おなじみWS2812BのテープでLEDの間隔が広いものを使用します。 マイコンM5AtomLite。電源は100円ショップの電池式USB充電器を使用しました。

作成工程

まずLEDテープを箱の大きさに合わせて形を作り、必要分だけテープをカットします。今回は16個のLEDを使いました。
セロテープを使ってLEDテープを貼り合わせ形を整えます。 f:id:PikaPikaLight:20210613170530j:plain 葉っぱや花びらはクラフトボードをカットして作りました。このクラフトボードはスポンジのような柔らかい素材で曲げることが可能で、厚さ5㎜あるので遮光性も十分でした。
これを直接、書類ファイルに貼りつけていってもいいのですが、今回はPPシートに貼っていくことにしました。ファイルだけでは光の拡散が足りないかなと思ったことと、うまくいったら別のカッコいい額縁に入れなおすこともできるなと思いまして。
PPシートをファイルのサイズにカットし、それにクラフトボードを両面テープを使って貼りつけていきます。 f:id:PikaPikaLight:20210613171148j:plain やっていく中で問題が発生。全部のLEDを活かしたかったのに、花の付け根のところのLEDがスペース的に葉っぱをつけられない。諦めてそこのLEDは使わないことにしました。ソフト的にそこのLED点けないことは可能ですが、念のため黒テープで巻いてLED完全に隠しました。 f:id:PikaPikaLight:20210613172241j:plain

プログラム

M5Atomを使ったのでFastLEDライブラリを使って点灯パターンをプログラムしました。まずは単純に花の部分のみ虹色に変化するパターンにしました。
コードは雑に作ったので載せるのはやめておきます。もし、リクエストあればキレイにして載せたいと思います。

完成

パパっと作った割にはそれっぽく出来ました。光量もまぁまぁで明るいところにおいても見えました。 f:id:PikaPikaLight:20210613173525p:plain

書類ファイルに収めたのでカバンで持ち運びすることも簡単です。 f:id:PikaPikaLight:20210613174407j:plain

動画

感想

GeekMomProjectsさんの作品をなんのひねりもなく真似して作ってみました。
真似とはいえ、材料は簡単に手に入るものを使って、なるべく簡単に作るためにはどうしたらいいかを考えての工作です。
「こんなのこうすればできる」と頭だけで考えることと、実際に手を動かして作ってみることは全然違います。
頭の中では両面テープを5mm幅にカットすることも一瞬で何の乱れなくできますが、実際に5mm幅にカットしてみるとその難しさと面倒くささに気付きます。こういった経験の積み重ねが想像力を鍛えていくのだと、改めて思った、いい工作でした。

立方体万華鏡を3D CADでデザインしてみた

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はじめに

立方体万華鏡の説明と作り方はこちらの過去記事を参照ください。 pikapikalight.hatenadiary.com

違う模様のものを作りたいと思ったのですが、模様は鏡の裏面を削ることで作るので簡単に試すことができません。 そこで3D CADを使って簡単にシミュレーションすることを考えました。

3D CAD

今回使用したのはRSのDesignSpark Mechanicalです。 www.rs-online.com 3D CADに詳しいわけではないですが、このCADは自分が使ってるごく普通のノートPCでも軽々動いて、オペレーションも直感的なので愛用しています。

ポイント

DesignSpark Mechanicalの基本的な操作方法はクイックガイドに従って練習すれば簡単に習得できると思います。
立方体万華鏡をデザインするにあたってのポイントのみ解説します。

正方形の面に図柄を書く

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面をコピーして3面合わせる

3Dモードにすると書いた図柄は一つの面(Surface)になります。これをコピーして実際の配置に合わせます。 f:id:PikaPikaLight:20210530202741p:plain

3つの面を1つのコンポーネントにする

3つの面を選択して右クリック→新規コンポーネントに移動 とすると1つのコンポーネントとして扱うことができます。 f:id:PikaPikaLight:20210530203043p:plain こうすることで簡単にコピーできるようになります。

コンポーネントをコピーして1ブロックを作成する

コピーして移動して回転してを繰り返してこのような図形を作成します。 f:id:PikaPikaLight:20210530203720p:plain

コンポーネント8個をコンポーネントにしてさらにコピー

複数のコンポーネントをさらに1つのコンポーネントにすることができます。 f:id:PikaPikaLight:20210530204202p:plain
これをコピーして移動してを繰り返してこのようにします。 f:id:PikaPikaLight:20210530204404p:plain
これをCAD上でグリングリンすることで実際の万華鏡をシミュレーションすることができます。

新しいデザインを考える

CADを使うことでデザインをシミュレーションできるようになりました。
誰もやっていなそうなデザインを考えて実際に作ってみました。

【プチ100均分解】ダイソーの光る忍者刀を分解してみた

初めに

分解のススメをつい最近知って、バックナンバー動画を見ているのですが、これがとても面白い。 特にThousanDIYさんの「100円ショップのガジェットを分解してみる」が好きです。
note.com 今回、100均のおもちゃを改造するために分解してみたのですが、単純なものなのに色々面白かったので記事にしてみました。

ダイソーの光る忍者刀

f:id:PikaPikaLight:20210525202118p:plain

  • 200円(税別)

  • スイッチ入れると赤と緑に刀身が光る(LED4個)

  • 刀を振ると音が鳴る。「ポキーン」、「プイーン」の2種類。
    (自分の感覚で文字化するとこんな音)

これを改造して得意のLEDテープを仕込んで色変わりの刀に改造しようと購入しました。

それはそれでこのようにできたのですが、この時はLEDテープを仕込むことだけ考えて、音が出る機能を完全に無視して、早々にスピーカーを外してしまいました。

これの2本目の改造品を作るにあたり、音が出る機能を活かしたいと思ったのですが、改めていじってみるとこれがなかなかに不思議な仕組みで、軽く振っただけでは音はならず、ある程度の衝撃を与えないと音がでないという、えっ?これどうやってんだろ?な代物だったのです。

本体の分解

f:id:PikaPikaLight:20210525204728p:plain ネジはこの6点です。刀のつばを上にずらすと隠された2つのネジがあります
あけるとこうなってます。 f:id:PikaPikaLight:20210525205231p:plain

振動センサ

まず一番の謎だった振動センサを調べました。 f:id:PikaPikaLight:20210525205700p:plain これが正体でした。筒の中にもう一つの筒があってこれが接触することで導通するというメカニカルなセンサでした。
これが、軽く振っても反応せず、強い衝撃時のみ反応する仕組みだったのです。
自分的に初めてこのようなセンサを見て、軽く感動しました。これだけで200円の価値はあると思いました。

LED

LEDはこのような針金に直接はんだ付けされているという大胆な構造でした。 f:id:PikaPikaLight:20210525210454p:plain ただよくよく見ると、針金がわざと段差をつけて切断されています。アノード側は長く、カソード側は短くなるように切断されていました。こうすることでワイヤーをはんだ付けするときにどちらに付けるか判別できるようになっているのだと思います。ちょっとした生産技術なのでしょうが、こうした技術に触れることは新鮮で、分解の楽しさを感じました。

回路図

せっかくなので回路図にしてみました。 f:id:PikaPikaLight:20210525211553j:plain 電源ラインにはちゃんとポリスイッチ(多分)入ってます。LEDの針金配線の危険性を加味した設計でしょうか。
振動センサにパラで入っている0.1uFはチャタリング対策でしょうか。
単純な回路ですが、面白いです。「分解とは設計者との対話である」という言葉を実感します。

次回予告

分解して回路が分かったので、音が出る仕組みを活かしてこんなの作ってみました。 次回はこれの作り方を解説したいと思います。