激安3Dプリンタ Kingroon KP3S トラブル対応編
はじめに
2万円の3Dプリンタ Kingroon KP3S を購入して約1か月経ちました。
かなりの安定度でプリントできていますが、いくつかのトラブルはありましたのでどう対処したか含めてメモしておきます。
対処法に関しては、もっといいやり方などありましたら教えていただけると嬉しいです。
購入時の記事はこちら
激安3Dプリンタ Kingroon KP3Sを購入した(前編) - PikaPikaLight
激安3Dプリンタ Kingroon KP3Sを購入した(後編) - PikaPikaLight
コンセントが3Pプラグ
コンセントは3Pプラグです。普通の家でこれが挿せるのは冷蔵庫か洗濯機かエアコン用のコンセントしかないでしょう。最初、エアコン用のコンセントに無理やり挿すという対処をしていましたが、素直に変換プラグを購入しました。マルツで300円くらいでした。 アースを浮かしてますが水回りでもないので多分大丈夫でしょう。問題なく動いてます。
プラットフォームシートの端がめくれた
3Dプリントの失敗の多くはプリントの途中で印刷物がプレートから外れてしまったり反ってしまったりするのが原因だと思います。
昔、仕事で使っていた安い3Dプリンタではプレートに幅広のマスキングテープを貼ってそこにスティック糊を塗りたくって印刷物を食い付かせるというやり方でした。この方法だと下面にマスキングテープが糊でべったりついてしまい、それを剥がすのが大変でした。
そこに登場したのが3M社の3Dプリンタ用プラットフォームシート3099ABでした。こいつの効果は絶大で、食い付きがいいのにキレイにはがすことが出来て、何回もそのまま繰り返し使えるという、最高アイテムでした。自分の中では必需品であったので、3Dプリンタと同時購入して、最初っからプレートに貼っていました。
それで快適にプリントできていたのですが、大物をプリントしたときにシートの端がめくれてしまって、印刷物が歪むトラブルが起きました。
ここでようやく気付いたのですが、KP3Sのプレートには初めからマグネット式のビルドプレートが付いていたのでした。何も考えずこの上にシートを貼ってしまっていました。
マグネット式のビルドプレートは1枚2300円くらいでした。3099ABは3枚で同じくらいの値段なので3099ABのほうが安いです。純正のマグネットシートは温存しておくことにして、3099ABを直接プレートに貼りなおしました。そして四隅が剥がれないようにカプトンテープで補強しておきました。その後は快適にプリントできてます。(貼り直しのため気泡だらけですが、特に問題ないです)#Kingroon_KP3S
— PikaPikaらいと (@KPmilk3) 2021年7月23日
今気づきましたが最初からプレートについていたのはマグネット式のビルドステッカーだったのですね。その上にさらにシート貼っちゃってました😅
ビルドステッカーは温存して、プレートにシート貼り直したいけど、レベリングやり直すのが面倒😵💫 pic.twitter.com/A6zRkDpnbZ
もじゃった
1か月で1回だけもじゃりました。
プリント途中で全体がプレートから剥がれてしまってのもじゃりです。原因は明らかでレベリング(プレートとノズル間の隙間調整)が甘かったです。最初のプリント状態を見ていて、なんか浮いてるなぁーとは思っていたのですが、3099ABの力を過信してそのままにしたのが失敗でした。
それからはレベリングは頻繁にするようにして、プリント時は1層目の状態は必ず確認するようにしています。
フィラメントの取り外しに失敗して抜けなくなる
これまでで最大のトラブルがこれです。フィラメントを抜くことも挿しこむこともできなくなる、まさしく抜き差しならない状態です。この1か月で3回発生しました。
KP3Sにはいちおう日本語(明らかに機械翻訳)の取扱説明書が付属していますが、フィラメントの挿入方法、取り外し方法は書かれていません。
ネット情報では予熱してから手動で突っ込む、手動で引き抜くといったワイルドな方法しか見つけられませんでした。
挿入に関しては余熱して手動で突っ込む方式で問題なく出来てますが、引き抜くほうは手動では難しいです。引き抜くスピード、タイミング、途中のもたもた次第でフィラメントが変形してしまって、にっちもさっちもいかなくなる事態に陥ります。こうなったら、エクストルーダー部を分解しないとどうにもなりません。
エクストルーダー部を分解
分解するには六角ネジをまわす必要があります。付属品に六角スパナがついているのでそれで回すことは可能ですが作業性は悪いです。六角ドライバーがあると便利です。私はたまたまTwitterでこの六角ドライバーを見かけて、M5Stackのネジも回せることから購入しました。
最初にこのケーブルを抜いておきます。この手のコネクタケーブルはワイヤー部分だけをつまんで外そうとすると勘合部分を破損する恐れがあるので、コネクタ部分をもって外すのが無難です。
まずこの2か所のビスを外します。
ビスを外すと明らかに3Dプリンタで作成されたパーツが外れます。ノズルに風を送るためのパーツみたいですが、3Dプリント丸出しのパーツが製品で使われていることに驚きました。3Dプリントにしては縦横の空間形状が複雑で、どうやって作ったのか思いをはせつつ次に進みます。
右の1個、左の2個のビスを外すと大型ファン部分が外れます。
ノズルについている小型のファンを外します。
ここを外します。場所によってビスの長さが違うので戻すときに注意必要です。
ノズル部分を手前に引いて外します。うまく外せばバネによるフィラメント押さえのパーツはそのまま外さずにおけますが、気を抜くといっしょに外れてしまいます。バネなので飛び散る場合がありますので、バネ部分を抑えながら外すといいと思います。(自分は思いっきり飛び散って探すのに苦労しました)
ノズル部分はネジになっていて回すと外れます。小型ファンを固定しているプラパーツは外せますので外したほうが簡単に作業できます。
ノズルを外すと引っかかっていたフィラメントがどうなっていたのかが明らかになりました。変形してふくらみができています。これが引っかかってにっちもさっちもいかなくなっていたのでした。
フィラメントを抜く方法
手で引っこ抜くのはおそらく熟練の技術が必要な技です。
どうやって抜くのが正解かいまだ試行錯誤している状況ですが、現時点での解は、
予熱して、いったんフィラメントを挿入してある程度ノズルからフィラメントを出しておいてから、「移動」メニューの「押し出す」で「高速」にしておいて「取り外し」を連打するというものです。
単純に高速取り外ししただけでは失敗するときがあり、いったんフィラメントを押し出してから取り外す手法を編み出しました。今のところ3連続で成功していますが、失敗したらまた次の手を考えます。
追記 2021/9/11
上記方法ですが、現時点で10回以上連続成功で100%の成功率です。
3DプリンタKingroonのKP3S のフィラメントの取り外し方法ですが、
— PikaPikaらいと (@KPmilk3) 2021年8月29日
予熱(PLA :210℃)→
メニューの移動→押し出す→常速で差し入れを数回やってフィラメントをある程度ノズルから出す→
高速で取り外しを連打
これで10回連続成功しました。#Kingroon_KP3S #KP3S pic.twitter.com/WWfffdnacM
最後に
大小のトラブルはありましたが、結論としてはKingroon KP3S 最高にコストパフォーマンスがいいマシンだと思います。購入1か月ですが、すでに元が取れた感あります。3Dプリンタは生活になくてはならない家電です。